雨上がりの放物線

究極の三日坊主が居場所を見つけるまでの物語

非線形科学-金融の話は出てこない

最近は相場というより相場の裏に広がる構造に興味が湧いている。

少し触れてみて仮説が正しい点と間違っていた点両方見えたので8月は学びに力を入れている。本業やんなきゃってなってるのもある。はあ、卒業出来っかな。

 

前回の書評を通してある仮説を立てた。

相場には「負のフィードバックループ(秩序を守る機構)」と「正のフィードバックループ(変化を拡大し、秩序を破壊する機構)」の両方が働いている。負のフィードバックループとか毎回書くのはしんどいので、「秩序」と「破壊」と名付けよう。基本的には「秩序」が働くため、割高銘柄はじきに値を下げ、割安銘柄は逆に動く。これは「値が下がった」から「次は上がる」と考える投資家によって作られる現象だ。そしてこれを利用して利益にするのが7月の間運用した「ロング・ショート1号」だった。

しかし、値が一方向に大きく動いたりすると「破壊」の出番がやってくる。「値が下がった」から「次も下がる」と考える投資家が増えてくるのだ。この投資家の思考の変化により今まで安定して成り立っていた値動きは壊され、踏みにじられ、相場に大きな変化が生まれる。これは「トレンド」や「ブラックスワン」、あるいは「ドラゴンキング」など様々な名称で呼ばれ、投資家を狂喜させたり破滅させてきたりした。

「ロング・ショート1号」は3週間の間完璧に機能したが、最後の週で組み入れ銘柄の一つが一方向に動き続けたため(ここでこの銘柄において小さな「破壊」が働いたと考えている)、最終的にはギリギリプラスという結果に至った。

 

仮説は、

「値動き」と「出来高」から現状では「秩序と破壊の綱引き」においてどちらが優勢かわかればロング・ショート1号は強くなるのではないか、というものだ。別に「破壊」でどちらに値が動くのかはわからなくてもいい(もちろんわかればそれだけで大きな利益を得る事が出来て嬉しいのだが)。「破壊」相場からポートフォリオを守れるだけでも十分な収穫である。

そして「秩序と破壊の綱引き」はパターンからわかるのではないかと考えた。「秩序」は対数っぽいパターンを書きそうだし、「破壊」は指数っぽい動きしそうだからだ。確証はない。だから勉強してる。

 

前置きが長くなった。

読んだのは集英社文庫からの新書「非線形科学」、蔵元由紀著。

「秩序」と「破壊」について学ぶために買ったのがこの本だ。非線形科学。これはカオスと複雑系における動きの根源となるルールだ。一言で言うと「自己の現状を把握して、それを元に動きを変える性質」だ。ただ上がるだけでも下がるだけでもない。決まった自己解釈、反応のルールに従って変動量を調整する。それによって作られる現象は「静止状態」「周期変動」「カオス」「クラス4」に分けられる。カオスもまたルールによって作られるのだ。複雑で雑多な状態からカオスが生まれるのではなく、根源的にカオスを作るのはルールだ。ローレンツはたった3つの式変数からできるカオスモデル、ローレンツ・モデルを作っている。

 

面白い話が続く、でも残念ながら金融に関わりそうな話は出てこないな笑

少しあるのは最後のベキ乗則の話くらい。

ブラック・スワン」でタレブは「自然科学と違って社会はベキ乗則からなる」みたいな話をしていたけど、自然科学もまたベキ乗則に従うこともあるのだ。ここで記されているのは相転移相転移とか、地震とか「果ての国」にも自然は残されていることを知る。やーいタレブ。