雨上がりの放物線

究極の三日坊主が居場所を見つけるまでの物語

ヘッズアップトリック(1/19)

ポジションある時のみ使えるトリック

 

フロップに同スート2枚

例Qh8s6h (h:ハート、s:スペード、c:クラブ、d:ダイヤ)

 

 相手がポットの60 %ベットした場合発動。ヘッズアップである、もしくはアーリーポジションからの相手のこのベットによりヘッズアップになった時を想定。

 これはほとんどの場合、フラッシュドローを指す(この場合ハート2枚である確率大)。もしくはミドルペア以下。

 なぜならトップペアである時、この盤面は一刻も早く終わらせたいので、論理的に考えてポットの120%程度打ち込んで相手を下ろす必要がある(フラッシュドローを引き離す為)。よって、相手はトップペアではないと考えられる。

 

自分:リレイズ(相手のレイズ額の3倍程度)

これはトップペアであることを主張する攻撃。手札によらずやっていい。

 

相手50%コール、50%フォールド(仮定)。

ターン見てスート違う場合、相手おそらくチェック。ここでオーバーベット(All-in)。ハートが出る確率は25%以下なのでフラッシュドローであるなら80 %以上のプレイヤーは降りる。

 

計算:

プレフロップ:相手3BBレイズ、自分コール

ポット6BB(アンティ略)

 

フロップ:相手4 BBベット、自分12 BBリレイズ

(ここで相手フォールドなら、自分7 BB獲得)

フロップ:相手コール

ポット30 BB

 

ターン:ハートが出た場合、損失15 BB(25 %)

ターン:ハートが出なかった場合、相手チェック、自分35 BBベット

(相手フォールドなら 15 BB獲得)

 

リバー:ハートが出た場合、損失50 BB(25 %)

リバー:ハート出なかった場合、コイントス(50%)、期待値ほぼ0

 

1回目と2回目における相手のフォールド率を50%、80%とすると

プレイ期待値:(7 × 0.5) + (- 15 × 0.5 × 0.25) + (15 × 0.5 × 0.75 × 0.8) + (- 50× 0.5 × 0.75 × 0.2 × 0.25) + ( 0 × 0.5 × 0.75 × 0.2 × 0.75) = 4.8125 BB

実際はアンティや、他の参加者のベットによりポットはもう少し大きいので、約プラス5 BBの期待値を持つプレイだとわかります。

 

 

 同スートが2枚落ちたフロップにおける60 %ベットは明確なミス(ハメ手でなければ)。アーリーポジションからはチェックが正しい。相手にベットされて付いて行くのが吉。これなら相手は自分がスロープレイをしているのか、ミドルペア以下なのか、ドローなのか、何もないのか判断する事ができない。スロープレイの可能性があるのでツーペア及びトップペアトップキッカーも否定しきれない。

 

 これは自分の手札に依存しないトリック。このように、相手の手札さえ正しく想定できれば自分の持つ手札に限らず無条件に勝てる(勝てる可能性のある)トリックが存在する。ただし、一回しか成立しない。相手の力量によっては逆に嵌められる可能性もある。ポーカーは不完全情報ゲームである為、相手の裏を読み続ける事で無限に高次なメタゲームを作りうる。

 これは$1.5Sit and Goで機能しうるレベルの低いトリックの一つ。

$1.5, NL, Sit and Go, 6-max, turbo Strategy②

トーナメント前半、フロップ、対多数(ヘッズアップでない)

 

 この章ではアンティの小さくそこまで必死さの少ないステージにおける、フロップの戦略について書いていこうと思います。

 フロップ以降は相手のカードを予想して綱渡りする必要が出てくるので初心者の僕には非常に難しかったです。最初の日は怖くてペアができたらすぐにオーバーベットするあまり読まれ、ポットが小さいうちに逃げられたり、ビッグペアやスリーカードにかられたりしてました。

 そして、それを矯正してある程度のスロープレイが出来、相手のハンドレンジを想定する事が出来るようになったのは良いものの、それが過ぎてリバーで捲られたりが多くなって損失に繋がってしまいました。

  テーマは「情報は冷静に分析、ベットはビビらず十分量を」です。稼いだ利益が一気に消え失せた1/17~18では相手のハンドレンジ予想してそれが正しいのか確かめるためにベットは必要額の60 %くらいしか打ててませんでした。それでドロー連中がついてきてしまい、結果ひかれてリバーで大きいベットされて窮地におちいるor小さなポットを獲得、という場面がいくつもありました。きちんとベットは大胆に行く。

 

 基本的にピュアブラフは打たない。ペア以上の役ができている(ミドル以上が望ましい)、ドローがある、他の二人が異常にタイトなプレイヤーでかつ盤面が低い方に寄っている、などのなんらかの材料がないとベットしないようにしています。

 オンラインのプレイヤーは下ろすのに非常に労力が要ります。ボトムペアがあればリバーまで見に行くのが筋だと考えている人も多い印象。トップペアがある場合はきちんと「ボトムペアもミドルペアもオレには勝てない!」と主張しましょう。

 よって素直にプレイすることが吉と考えます。

 

何もない

 逃げます。何をしても無駄です。ブラフは本物の手にキャッチされる可能性が高いです。何もせず、ベットがあればおります。まだポットは小さいので損失は限られています。

 

 

トップペア(ツーペア)が出来ている

 良いキッカーもあれば文句なしです。もちろんポットを増やしましょう。

①盤面がちらばっている

 相手がついて来れるペースでポットを増やします。ポットの50 ~ 70%をベット。先にレイズがあった場合はコールでもリレイズでも可。相手もペアが出来ている可能性が高いです。リレイズについてくるかで相手の情報を収集した方がいいかもしれません。

 

(a)リリレイズされた

もしかしたらビッグポケットペア持ちか、スリーカードが出来ているのかもしれません。ビッグポケットペア持ちならプレフロップでレイズ、もしくはリレイズを起こしているかで少しは判断できるかもしれません。スリーカードを僕が持っていたらかなりの余裕があるのでターンとリバーでも攻撃してもらえるようにジャストコールに止めますね。よって、自分と同じくトップペア持ちで高いキッカーを持っているor僕の手札をミドルペアか何かだと思っている、早めに勝負をつけたいビッグポケットペアである可能性が高い。プレフロップでの動きを思い出して判断しましょう。最低でも大きなキッカーが必要だと思われ。

 

 (b)コールされた

 トップペア同士の可能性がある。ツーペア以上なら積極的に打っていく。キッカーが弱い場合は慎重に。ただ相手も同じ思考の可能性。ターンでポットの50~70%を打ちもう一度試す事で相手の力量を計ります。このコストは必要な気がします。ミドル~ボトムペア持ちでもついてくる可能性があります。こいつらは人によっては最後までついてきます。ただし、この域の場合リレイズはほぼ出来ないでしょう。実はトップペア、となっても損失は限られています。

 前述のようにスリーカードの可能性もあります。スリーカードを僕がフロップで揃えたなら、アグレッサー相手にはフロップ、ターンでジャストコールに留め、リバーでリレイズします。

 

(c)フォールドされた

 ミドルペア以下持ちでしょう。もしくはドロー狙いの手か、ブラフだったか。なんにせよポットを手に入れる事ができます。

 

②盤面がよっている

 ストレートやフラッシュドローが見える場合、死んでもついて来て欲しくないのでオッズに合わなくさせるベットをしましょう。ポットの120%くらいで。

フラッシュなら9outsで36 %。ストレートなら多くて8outsで32%。オッズをそれに合わなくさせればいいので、ポットの100%が大体境界になると思います。

 ついて来たら相手の可能性はトップペアかツーペア、スリーカード、盤面によってはストレートフラッシュドロー。いずれにせよ、厳しい相手です。

 ターンでもう一度試すかは手札次第です。損失を覚悟した方がいいかもしれません。

 

 

スリーカードがある

①盤面がちらばっている

(a)ポジションがない

 皆に逃げて欲しくないのでcheckでもかまいませんし、小さなベットでもいいです。ただ、この釣りベットは使う場面が少ないとバレます。相手の予想としては、「尋常じゃなく弱くて皆に降りてもらえるか試すだけ試して逃げるorものすごく強くてついてきて欲しい」の二つに別れ、いずれにせよポットを大きくすることは叶わなくなります。

 盤面にAやKがあり、かつタイトな人が参加してる場合は彼がトップペアを持っている可能性が高いので彼についてきてもらいましょう。

 

(b)ポジションがある

 自分以外にレイザーがいるならコール、ターンでもコール。リバーでリレイズします。フロップでリレイズした場合、相手がトップペアでない限り逃げてしまう可能性が高いのでジャストコールし、お金が降ってくるのを待ちます。

 

②盤面がよっている

 トップペアと同様の動き、オーバーベットでついてきたらトップペアかツーペア、ストレートフラッシュドローの可能性が高い。ストレートフラッシュが見える盤面ならポットは大きくしすぎない。他なら勝っている可能性が高いのでレイズ又はリレイズしましょう。盤面が危険な場合は最後にどんな手になるか不明なので早めに勝負をつける。

 

 

ストレートorフラッシュドローがある

 プレフロップの章で書いたように、大器晩成型ポジションある場合が多いはずです。

 ポジションなければチェック。相手にリレイズされるとオッズ的についていけなくなる。もしくは絞り取られる。

 

 ポジションあればポットの50 ~ 70 %ベットしてもいいでしょう。ただし、悪い奴がいた場合、これによってドロー待ちだと見破られ、大きなリレイズをされる場合があります。こういう時はどうするか。まだ自分の中でもはっきりしないです。3人以上参加してる時はブラフの効果は薄いと考えているので、僕は潔く降ります。ただし、もしかしたらブラフなのかもしれません。

 よって最近はポジションある時もチェックし、誰かの通常ベットにコールするだけになっているかもしれません。

 

反省:現状の僕の戦略では、ドロー待ちの小さなベットに対して大きなリレイズが来た場合ほぼ降りるようになっています。ここは直さねば。

 

ストレートorフラッシュが出来た

 盤面が散らばった状態でスリーカードが出来ているのとほぼ同じ動きです。ポジションがなければチェックor状況に合わせ通常額ベット。ポジションがあればややパッシブにフロップとターンを過ごし、リバーでややアグレッシブに。ストレートは下端だった場合気をつけてください、All-inとかしてくるようなら逃げても良い。

 あと、ストレート時はフラッシュの存在に気をつける。自分のセットが出来たからといって油断して持って行かれること多いです。フラッシュドローの匂いがするならややアグレッシブに行って降ろしましょう。

 小さいスーテッドコネクタでエントリーしてる時、フラッシュでガン攻めしていいのか。これは難しい。フロップ、ターンはアグレッシブに行き、ビクともしないようなら逃げてもいいかも。ここは場面による判断で。

 

 

全体反省

 こういう戦略の明文化はメリットもデメリットもある。

メリット:試合において状況判断の核が出来、プレーの最低レベルが上がる。

デメリット:ポーカーは不完全情報ゲームなので、自分の戦略は相手の戦略次第で千変万化すべき、こういう画一的なルールは高いレートでは身を滅ぼす。

 まだ初めて10日程度ですのできちんとメリットデメリット考えながら文章作っていきましょう。このステップは自分には必要だと思います。

 

 次は、フロップでヘッズアップになった時の戦い方について書きたいです。対多数、ターン以後も書きたいんですが、正直難しい。ここから先は非常に精度の高い論理的な情報収集力が求められ、それに加えて相手の出す情報が本物かどうかも考えなければならなくなるので、苦手です。

Sit and Go, 6-max, turbo Strategy① 、トーナメント前半、プレフロップ戦略

 この章ではアンティの小さくそこまで必死さの少ないステージにおける、まずはプレフロップ戦略について書いていこうと思います。

 

スタイル:タイトアグレッシブ(のつもり)

 

エントリーするか否か

 エントリー率は30%前後を目指しています。これはなんとなくの値で、まだ調整の余地あり。あんま入りすぎると僕のベットに対する皆の信頼が無くなるし、率が低すぎると良い手が入った時にポットを大きくする事が出来なくなる。それにアンティでどんどん持ってかれる。

 あと、僕の尊敬するガス・ハンセンが彼の本の中で6人トーナメントでは3回に1回くらいが丁度良い、と言っていたのもあって。

 

オープン時の優先順位

①ビッグペア(AA,KK)

②ミドルペア(QQ~88)

③スモールペア(77~22)

④スーテッド(高い方がJ以上)

⑤スーテッドコネクタ(43sなど)

⑥ハイカード2枚(JT以上)

 

もしかしたら⑥に含まれるAKoをもっと高い位置におくべきだとする人もいるかもしれない。でも僕はオンラインの非常にルースなテーブル(3人以上がフロップを見にいく可能性の高い)においてフロップで絡まなかった場合、6 outs(A or Kが出る、約24 %) の為にだれかのベットについて行く気にはなれない。簡単に言うとプレイし辛い。

 

この区分けは大きく2種類に分ける事が出来ます。

①、⑥(②):トップペア主張型。シンプルに、自分が一番強いですと主張し続けて相手を減らし、下ろす、出来るだけ早く戦いを終わらせるタイプ。1対1の殴り合いに強いが、3人以上いるとセット作れる奴が出てくるので弱くなる。ミドルペアはフロップによっては以降の綱渡りが重要になるかも。

 

④、⑤、③:大器晩成型。フラッシュ、ストレート、スリーカードなど、ターン、リバーまで見に行ってセットまで育てるタイプ。1対1の場合、相手に強打をくらいターン、リバーまで見に行く事が出来無い事が多い。しかし多数のプレイヤーがいる状況(ブラフベットし辛い状況)ではじっくり息を潜めて育てる事が出来、もしかしたらナッツ(あるいはほぼナッツ)になるかもしれない。

 

反省:この区分けは文章書いてて思いつけた。この考えはプレイする際に持ってても良かった。

ハンセン氏の本ではフロップ以降はほぼ二人、多くても三人だった為トップペア主張型が強かったが、オンラインではルースなプレイヤーが多いため大器晩成型のが強い場面が数多く見られる印象、まだ10日なので不明瞭。

 

計算

①~③の確率:(4C2 × 13) ÷ 52C2 = 78 ÷ 1326 = 5.8 %

内訳(①:0.9 %、②:2.2 %、③:2.6 %)

④の確率:((4C1 × 9C1 - 1) × 4C1) ÷ 52C2 = 78 ÷ 1326 = 5.6 %

JTは⑤に含まれるので除く、A2はコネクタとして利用し辛いのでこちらに含んだ)

⑤の確率:(12 × 4C1) ÷ 52C2 = 48 ÷ 1326 = 3.6 %

(AK,KQ,QJ,J10含むので、その分⑥から除く)

⑥の確率:(20C2 - 16 - (4C2 × 5) ) ÷ 52C2 = 10.8 %

 

① ~ ⑥の合計:25.8 %

計算してみた結果少し目標に足りなかったみたいですね。修正を加えましょう。

 

反省:実際は自分の前にレイズがあったり、ポジションがないなどの理由から降りることもあるので、実際は20 %ちょいか。少し上げる必要があると思われる。

オンラインはルースであることから、大器晩成型の方の手を増やす。ただのコネクタ(KQ ~ 32)を増やすとすると

コネクタ(unスーテッド)の確率:((4C× 4C1 - 4) × 11) ÷ 52C2 = 132 ÷ 1326 = 10.0 %

合計(⑥からはコネクタを除く)

25.8 + 10.0 - 2.4 = 33.4 %

実戦では30 %弱くらい。こちらの方が良さそう。

 

反省の反省:

④そのままだとJ2sなどフラッシュ入らねば全く利用価値無い(トップペアヒットだとしても攻めきれ無い)カードも入る事になるので、下限をつける(J6s+)。

代わりにスーテッドワンギャッパー(75s+)を加え、ハイカードは9まで許す。計算はまた今度

 

ベット額:

ポジションあるorブラインド時

基本的に3BBにレイズでエントリー。

目的1:そのままスチールできる可能性があるから。

目的2:参加人数を減らす。フロップでペアとか作っちゃう野郎を減らして、自分のスモールペア、あるいはAKoなどの価値を上昇させる。

目的3:自分がベストハンドだと思う時にある程度大きいポットが目の前にあるように。

 

ただし、コールでエントリーする事も。主にスモールペア使ってる時かもしれない。

状況1:自分の前にコーラーがいる時。こいつは3BBにレイズしても乗ってくるに決まってるので、目的1、2共に達成難しい。安くフロップを見に行って絡まなければ逃げる戦略に切り替え。

状況2:直前に自分が大きいポットを奪ったorスチールを成功させた時。もしくは最近レイズしすぎで手がないのにレイズしてるんじゃねと思われそうな時。あんまり皆にウザいと思われると血気盛んな奴とかが異常に付いてくる可能性がある。

 

反省:大器晩成型の手札の時は常にレイズじゃなくてリンプインのがいいのかもしれない。これは混ぜどころ。

 

ポジションない時

小さめのスーテッドコネクタは50%くらいでコールする。タイトなテーブルほどレイズで入るように。このコールは、小さいカードしか無い時にレイトポジションからリレイズなんかされようものなら居場所無くなる為。で、それがばれ無いように他の役の時(スモールペア~ミドルペア、信頼弱めなハイカード2枚など)も30%くらいコールするようにしてます。

 

反省:プレミアハンド(AA,KK)でプレフロップAll-inするのもアリです。実際ここ10日はそうしていた気もしますが、トーナメント序盤でのAll-inに乗ってくれる奴なんていなさそうですし、他の手と同様3BBで1~2人相手まで絞ってからフロップ確認し、すぐさま叩き潰すのが吉でしょう(フロップがあまりに危うい場合は逃げるのも視野のうち)。こっちの方がポット広げられるし、最悪ショーダウンまで行った場合、もしくはカードを見せつけた場合、自分の3BBレイズの懐の広さをアピールでき、これはその後のプレイがしやすくなる可能性があります。

欠点はフロップでストレート色が強かったり、同じ数字のカードが2枚あったりすると慎重にならねばならなくなりますし、そこでブラフを仕掛けられると脆いところですね。非常にルースなテーブルではベット額を上げましょう。

 

 

さて、ここまでで大体の場面は拾えるでしょう。

次からは自分の前にレイズがあった場合、自分の後にリレイズがあった場合について考えましょう。

 

自分の前に異常なレイズがあった(プレフロップAll-in ~ 10BBなど)

 AA,KK以外は基本的に逃げます、AA、KKでも他に大量の参加者がいて、かつ自分に大ダメージを与えうる場合は逃げます。自分以外に2人までならまあ許すくらいですね。タイトな相手ならもちろん、アホな行動を頻繁にする奴でも基本的に逃げます。こいつらは大体Aとかポケットペアが入っただけでテンション上がってスチール出来ると思ってる奴ですが、そんな奴相手でもバッドビートで負けると辛いですし、バッドビートは後のプレイに響きます。それにアホな奴に対してコールして相手がプレミアハンドだった時泣けます。誰かを舐めるのが一番まずい。

 ドミネイトしてるハンド相手に負けるとホント傷つきます。トーナメント序盤でのプロフロップAll-inは情報がないので相手のハンドレンジが非常に広く、かつ負けると壊滅的に傷つくので止めましょう。何度傷ついた事か。

 ものすごくうるさい奴に対してはQQ、JJまで行きます。

 

自分の前に3BBレイズがあった

 プレミアハンドならもちろんリレイズ。こいつらはAll-inまで付き合えます。QQ、JJでもいいでしょう。相手によってはAll-inまで付き合えます。AK、AQでもリレイズしてもいいかもしれません、ここまで僕はコールしてる気がします。リレイズは相手の額の3倍くらいを目安にしてます。リリレイズされたら、、、まだはっきりしません。相手はプレミアハンドか、意地っ張りかでしょう。おそらく尻尾巻いて逃げます。損失は約9BB、このトーナメントなら自分のスタックの10 ~ 20%ですね。当たった相手が悪かったと考えましょう。

 ここまでコール額が高くなるとほぼ確実に1対1のヘッズアップです。フロップ以降は次章で説明します。

 自分の前にレイズがあり、自分がプレミアハンドやAK、AQ以外ならコールします。自信ない時は降りてます。人数が多いほど大器晩成型、少ないほどトップペア主張型が強くなるのを思い出すようにします。

 

反省:自分はリレイズの使い方がわかっていない。スーテッドコネクタなどでレイズするやつらにはリレイズすることでやりづらくさせる効果があるので、AK、AQでも強気でいく必要があると思われる。

 

自分のレイズ後に9BBまでレイズがあった

 プレミアハンドなら考えることありません。27BBまで引き上げます。さらに上げてきたら??AAならAll-inでしょう。KK、QQ、JJなら?

 相手は極限までタイトなプレイヤーである時。AAでしょうね。AAだった場合こちらの勝率は14 %前後だったと思います。正直運が悪かったと考えるのもありだと思います。降りた場合の損失は27BB、スタックの40 %から70 %。降りる場合は自分の札を見せつけて相手の札を見せてもらうようにします。AAだったら自分の判断に乾杯。それ以外ならそこが奴の弱点なので死に物狂いで復帰して噛み付いてやります。ほぼ無理ですが。

 相手が極限までタイトであると言えない時、All-inしましょう。目にもの見せてやります。

 リレイズに対してはAK、AQ、AJならコールします。

 ここまでコール額が高くなるとほぼ確実に1対1のヘッズアップですね。スートやストレートはほぼ関係ない殴り合いである可能性が高いです。フロップ以降は次章で説明します。

オンラインポーカー始めました。

オンラインポーカーを初めて10日が経ちました。

 Pokerstarsというサイトでオンラインポーカーを始め、これはすごいとのめり込んでしまいました。

 主に$1.5Buy-in, Sit and Go, 6-max, Turboという6人制トーナメント、平等な持ち分で始め、点数無くなった人から退場、2位までが入賞で賞金付与される大会に出ています。

 

 $40.00で始め、今$40.34まで来ました笑。全然変化していないみたいですが、実はすごくいろんな事があったんですよー。最初の1日はいろんな形式の大会(Spin and Go, Beat the Clock, Multi-Table Tournamentなど)に手を出していたらあっという間に$28.88まで下がってしまい(これは僕がポーカーのやり方をわかってなかった所為もあります。)、勉強しようと考えて「ガス・ハンセンのポーカーミリオンロード」を読みました。

 名前は胡散臭いんですが、本当に面白い。ハンセン氏がどの手札で敵が誰で場がどんな時にどんな判断を下すかが逐一書かれていて、ハンセン氏の思考をトレースする事ができる素晴らしい本でした。

 それを読み込んで戦略を立て直し、翌日からこつこつとプラスを積み立てていきました。日平均6試合、$1.5のコストに対してリターン平均$2.46!

 決して大きな変動なく、こつこつこつこつ積み上げて、一週間後(1/16)には$60.04に到達。

 「あ、そゆことね、オレ天才って事ね」、思いましたね。かましましたね、油断。一回の勝負じゃなくて、長期的に結果出してる=オレ天才、ってなりました。

 レートを上げて、$3.5に挑戦したのが運の尽き。ビシバシ負け、数多くのバッドビートも挑戦し、なぜかレートを下げ直しても負け続け、$40.34に逆戻りですよ、あああ。後半は多分僕が冷静に思考し続けられなかったからでしょう。冷静な時なら見つけられるミスが見つけられなかったのでしょう。

 あと、少し強者ぶって下手なスロープレイをしてしまったのも原因です。リバーでまくられて大きなポットを持ってかれる事が何度もあった。

 

 $1.5レートにおけるそこそこの戦略にも、良い自己破壊にも遭遇できたので、ここらで一回思考を洗い出して後半の自分の失敗の原因考察、及び新たな戦略創出に向けてしばらくこのネタで書いていこうと思います。

 

 ここで僕がポーカーと呼んでいるテキサスホールデムの基礎知識はめんどいので書けないです。知らない人ごめんなさい。

「複雑系」とは何か-ともすればオカルト

講談社現代新書吉永良正著。

サンタフェ研究所の内部構造なんて僕には興味ない。出来れば「『複雑系』とは何か」について紙面を使ってくれ。

 

前に「予測ビジネスで儲ける人々」、や「非線形科学」で少し複雑系には触れていると思うので手短に複雑系について書こう。

複雑系は多数の小さな要素からなる。そして要素間には非常に単純な物理法則に従った相互作用を持つ。要素間の相互作用の理解は簡単だが、それが積もり積もって集団全体に予想できないような「社会性」が生まれる。このような性質を持つシステムを「複雑系」と呼ぶ。

アリや渡り鳥の集団、多くの生き物の生態系において観察される。

 

そして複雑系研究は以下の2つの前提を元に成り立っている。

1. 全ての複雑な現象には必ず内奥に共通のルールを持つ。

2. そのルールはコンピュータで計算できるくらいの単純さを持っていること。

そしてこの更に奥に存在するのが研究者ゲルマンの言葉「表面的な複雑さは深部の単純さから生まれる」。

笑っちゃうような希望的観測だな。みんな推理小説の読みすぎなんじゃないだろうか。この世の全てにルールがある。本当にそうだったらどれだけ素晴らしく、面白いだろう。あらゆる出来事は一つの、あるいは複数のルールに縛られていると考えるのは人間の脳がなせる錯覚だ。初歩的な認知心理学の本を読めば出てくるぞ。そういう意味でこのロマンに満ちた「複雑系科学」とは人間の業から生まれるべくして生まれたのだ。

でも僕はこういう狂気が好きだ。本当に厳密な論理からは生まれなさそうなこの情熱が好きだし、こういう情熱こそが世界を変えるのだ。

 

本書で紹介されている複雑系を説明するキーワード

キーワード1: 複雑適応系

適応系は示すのは「永遠に変化し続けるシステム」だ。上記のように「複雑系」は多数の要素からなり、その要素間相互作用からなる集団の性質が重要だ。アリの例で言えば、個々のアリは寄り集まりアリ小隊を形成し、それらは中隊、大隊、全軍へと一つ一つのレベルが「積み木」のようになっている。そして、ここの要素は常に自分の周りの環境を感じ取って状態を変化させていくのだ。つまり、その積み木は変形し、再配列し、ある場面では減少し、増加し、分裂し、合体する。この積み木に「最適解」は存在しない。常に周りの情報を汲み取ることで永遠に変化し続けるのだ。

 

キーワード2: カオスの縁

ライフ・ゲームはむちゃくちゃ面白いから良かったら自分で検索してみてください。スクリーンセーバー代わりに流しておくのがオススメです。

ライフ・ゲームは生命が織りなすパターンを説明し、それの終着点は4つに分類される。

1. 絶滅(一つも生命が残らない)

2. 静的平衡状態(死んだ数とちょうど同じだけ生まれ、一つの幾何学的パターンを作る)

3. カオス(予測の難しい変動を永遠にし続ける)

4. クラス4(予測し辛い変動を起こしたり、かと思えばパターンを作ったりする)

このクラス4こそが複雑系の生息領域らしい。λパラメータという値を用いて分析するとクラス4のあたりで系の「複雑性」(説明が難しいな、「多様性」「可能性の広さ」)が最大値をとるらしい。これよりλが小さい値では「平衡状態」を、大きい値では「カオス」に向かっていく。よって、このクラス4はカオスの縁に位置するのだ。これは物理減少における「相転移」に値する。つまりクラス4は臨海値、相転移点を意味する。

 

キーワード3: 自己組織化臨界

このキーワードに関する説明は明らかに他に比べて乏しい。エネルギーを消費して自身の動的平衡を創り出し始める臨界点のような事を言っている、気がする。カオスの縁と似た概念であることは伝わるが、その差異についての言及は避けられている。

 

キーワード4: 創発

これは簡単だ。系の要素間相互作用により、要素自体には無い性質が系全体に備わる事。まさに、「全体は部分の総和ではない」を意味する。

 

この後には日本と欧米の複雑系研究の違いとか、人工生命の話とかあるが、関係は無い。

さてさて、我がロング・ショートは何を読めば進化するんだろうか?

相転移に関する本読んで、先が無いと感じたら大人しく相場について勉強しますか。

非線形科学-金融の話は出てこない

最近は相場というより相場の裏に広がる構造に興味が湧いている。

少し触れてみて仮説が正しい点と間違っていた点両方見えたので8月は学びに力を入れている。本業やんなきゃってなってるのもある。はあ、卒業出来っかな。

 

前回の書評を通してある仮説を立てた。

相場には「負のフィードバックループ(秩序を守る機構)」と「正のフィードバックループ(変化を拡大し、秩序を破壊する機構)」の両方が働いている。負のフィードバックループとか毎回書くのはしんどいので、「秩序」と「破壊」と名付けよう。基本的には「秩序」が働くため、割高銘柄はじきに値を下げ、割安銘柄は逆に動く。これは「値が下がった」から「次は上がる」と考える投資家によって作られる現象だ。そしてこれを利用して利益にするのが7月の間運用した「ロング・ショート1号」だった。

しかし、値が一方向に大きく動いたりすると「破壊」の出番がやってくる。「値が下がった」から「次も下がる」と考える投資家が増えてくるのだ。この投資家の思考の変化により今まで安定して成り立っていた値動きは壊され、踏みにじられ、相場に大きな変化が生まれる。これは「トレンド」や「ブラックスワン」、あるいは「ドラゴンキング」など様々な名称で呼ばれ、投資家を狂喜させたり破滅させてきたりした。

「ロング・ショート1号」は3週間の間完璧に機能したが、最後の週で組み入れ銘柄の一つが一方向に動き続けたため(ここでこの銘柄において小さな「破壊」が働いたと考えている)、最終的にはギリギリプラスという結果に至った。

 

仮説は、

「値動き」と「出来高」から現状では「秩序と破壊の綱引き」においてどちらが優勢かわかればロング・ショート1号は強くなるのではないか、というものだ。別に「破壊」でどちらに値が動くのかはわからなくてもいい(もちろんわかればそれだけで大きな利益を得る事が出来て嬉しいのだが)。「破壊」相場からポートフォリオを守れるだけでも十分な収穫である。

そして「秩序と破壊の綱引き」はパターンからわかるのではないかと考えた。「秩序」は対数っぽいパターンを書きそうだし、「破壊」は指数っぽい動きしそうだからだ。確証はない。だから勉強してる。

 

前置きが長くなった。

読んだのは集英社文庫からの新書「非線形科学」、蔵元由紀著。

「秩序」と「破壊」について学ぶために買ったのがこの本だ。非線形科学。これはカオスと複雑系における動きの根源となるルールだ。一言で言うと「自己の現状を把握して、それを元に動きを変える性質」だ。ただ上がるだけでも下がるだけでもない。決まった自己解釈、反応のルールに従って変動量を調整する。それによって作られる現象は「静止状態」「周期変動」「カオス」「クラス4」に分けられる。カオスもまたルールによって作られるのだ。複雑で雑多な状態からカオスが生まれるのではなく、根源的にカオスを作るのはルールだ。ローレンツはたった3つの式変数からできるカオスモデル、ローレンツ・モデルを作っている。

 

面白い話が続く、でも残念ながら金融に関わりそうな話は出てこないな笑

少しあるのは最後のベキ乗則の話くらい。

ブラック・スワン」でタレブは「自然科学と違って社会はベキ乗則からなる」みたいな話をしていたけど、自然科学もまたベキ乗則に従うこともあるのだ。ここで記されているのは相転移相転移とか、地震とか「果ての国」にも自然は残されていることを知る。やーいタレブ。

 

 

予測ビジネスで儲ける人々-無知と無知に頼るカモ

ブックオフで300円で買えるハードカバー。つまらないところも、わからないところもあるけど、面白くて勉強になる本だった。

 

この本が伝えようとしている事は一つだけ、第9章のタイトルに出てきている、「確実なのは不確実性だけ」。良いセンスだ。

この本は気象学者から始まり、その他のあらゆる予測行為、将来の経済、株価、技術、社会を予想する行為は全く意味が無い。現在のトレンドを後追いする事は出来てもトレンドの転換点を安定して見つける事は今まで出来てい無いし、これからも出来無いと述べている。僕は僕に関係ある経済と株価予測の不可能性についてここでは書いていこうと思う。

 

なぜ長期の経済予測、株価が不可能なのか?

すこし違う話になるが、第2章で筆者は気象学者について述べている。5分後の天気はだいたい当てられる。1日後の天気は当てられ無いでも無い。1ヶ月後はほとんど不可能だ。このように天気を当てるのが難しくなっていくのは気象がカオスだからだ。

 

カオスとは、僕らのよく知っている物理法則によって支配されているが、高い非線形性によって初期条件のほんの少しの違いが大きな変化を生み出し結果的に予測が凄まじく難しい事象、そのような振る舞いを指す。よく聞くバタフライ効果ってやつだ。蝶が羽ばたく事が巡り巡ってハリケーンを生み出す(かもしれ無い)。

このカオスは一応完璧な物理法則によって成り立っているので、予測は難しいが完璧な答えが存在する。そして、短期ならそこそこの精度で予測できる。

 

そして、経済もまたカオスと似た挙動を取る事を見つけた学者がいた。だから経済もまた短期的には予測可能なんじゃ無い?短期的に予測できるならそこからお金引きずり出せるんじゃ無い?と考えたわけだ。

でも、経済はカオスじゃ無い、ほんとは複雑系なんだ。だからカオスで得た知見を用いて経済を予測するなんて馬鹿馬鹿しい話なんだよ、と本書は述べている。

 

複雑系とは

難しいのでゆっくり行きます。まず、複雑系は多数の要素からなる。たくさんの同じ要素かもしれ無いし、もしかしたら複数種が混じっているかもしれ無い。まあとりあえずたくさんいる。

次にそれらの要素は互いに影響を及ぼし合う。AはBを引きつけ、Cを遠ざけ、Dを虐げる。そこには社会が出来上がる。全体として一つの生命、あるいは連携した組織として振舞うものが複雑系だ。そして、出来上がる組織は非常に大きい数の要素からなっているので、要素の性質からは組織の性質は予測でき無い。これが複雑系の予測が出来無い理由である。

 

よし、ようやく経済の話に戻れる。上の文章を元に経済が予測の出来無い理由を挙げていく。

1. 社会には絶対的な自然法則が無い。(ミクロ、マクロレベルの両方において)

2. 経済活動をするそれぞれの要素(個人や企業)はそれぞれ密接に関わりあう。そのつながりこそが経済であるため、経済を予測するには全要素間の関わり方、関わる量を調べる必要がある。

3. 各要素の関わり方を決定する事は非常に難しい。例えば、渋滞を緩和するために高速道路を立てる事が渋滞の重症化へとつながる事もあるように。それぞれの関わり方は正負のフィードバックループの重ね合わせで出来ている。

4. 複雑系は秩序だった期間の合間に起きる混乱期が存在する。これは予想され無いからこそ混乱をおこす。

5. 人間が勉強するように複雑系も環境に適応し、振る舞い方を変える。よって以前に確立された理論も使えるとは限ら無い。

6. 複雑系にサイクルは無い。歴史は繰り返すかもしれ無いし、永遠に繰り返さ無いかもしれ無い。

 

正確には経済は「非線形複雑適応系」らしい。まあただの複雑系より難しいって話だ。個々の要素の関わりあい方に非線形性があるので、カオスっぽい動きも入って来ますよ、と。

 

 

本を読んで思いついた投資戦略

キーワードは「フィードバックループ」だ。経済には正と負のフィードバックループが存在する。負は秩序を守る働き。慣性力、反作用、需要と供給、平均への回帰、規模による収益遁減など。

正は秩序を壊し、新たなルールを作る動きだ。成功が成功を呼んだり、混乱が混乱を生み出し、壊滅へと繋がるような動き。基本的にこちらの動きは素早く、大きく、計り知れ無いほど激しい。タレブがいうブラック・スワンも正のフィードバックループの一種だろう。

7月の間に運用したロング・ショート1号は負のフィードバックを用いている。こちらが割高になったから下がるだろう、割安のやつは上がるだろう。という機構を利用して安定した利益を出す戦略だ。だからこそ最後の週にサントリーに正のフィードバックループが起きて大損を出した。

つまり、負のフィードバックループが正に切り替わる瞬間を見つけられればいいわけだ。今、株価は秩序を保つ局面なのか、それともこれから自触媒反応のようにぶっこわれていくのか。どっちにあるのか。

値動きと出来高の動きから局面を理解する。適当な値(xとする)を見つけ、閾値を設定する。そのxが閾値より小さいと時、負のフィードバックループにあるとし、自体はこれから収束する可能性が高いと判断。閾値より大きい時、これから変革が始まると考える。負のフィードバックは対数っぽいし、正のは指数っぽく動きそうなので見分けられそうなきがするけどなー。ちょっと複雑なモメンタム戦略って感じ。

問題は本当に欲しいのは正のフィードバックループにあるという確認じゃなくて正のフィードバックループにはいる前兆なのだが、まあそれはこれからぼちぼち考えていこう。

 

長くなってしまった。