雨上がりの放物線

究極の三日坊主が居場所を見つけるまでの物語

7/24 今週のロング・ショート反省

反省3回目です。

 

トレダビで1000万円から始めたデモ口座の現状を確認します。

総資産額:10,162,334円 (+ 25,834円)

評価損益:26,016円

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3週間連続でプラスでした。今週は3銘柄が乖離率をゆっくり低下させるいい動きをしていたのですが、サントリーが真逆の動きをしていたので相殺されて若干の増加という結果になりました。

この4銘柄の中でも味の素とキリン、サントリーと明治がそれぞれ非常に似通った動きをしており、もしかしたら4銘柄への投資より2つのペアトレードに分けたほうがいいのかもしれません。ただ、そうすると操作が増えるし、銘柄数が増加した時に無駄が増えるのでこのままの予定です。

ロング・ショートは「システムの安定」に賭ける手法です。だからこそ通常時は小さく儲け続け、システムの崩壊時には真っ先に壊滅します。小さく損したり、もしくはデモの内に崩壊を味わってみることができれば安心できるのですが。

 今週は本業が忙しくて正直あまり考えられませんでした。毎日持分いじって、帰り道に軽く電車の中でpythonのコード少しづつ綺麗に(僕が思う綺麗に)していくだけでした。再来週あたりから頑張りたいです。

来週は月末なので一ヶ月の標準化された株価と乖離率の推移をお見せする予定です。あと、pythonのコードもできればお見せしたいです。今後はエクセルはやめてpythonで遊んで行く予定なので。

 

7/ 18 ロング・ショート反省、改良案

2週間経ったので反省2回目です。

先週やろうと決めた新セクターの導入とバックテストについては全く進んでません。代わりにPythonを勉強してます。株価の自動取得と、エクセルでやってたことをPythonにだいたい導入し終えました。がむしゃらにやってます笑。自分の中で整理できたら紹介したいです。

 

トレダビで1000万円から始めたデモ口座の現状を確認します。

総資産額:10,136,498円 (+122,293円)

評価損益:19,902円

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一週間で1 %以上増えました。どこかおかしいですね。先週改良した低乖離率における利確も作動したので調子いいかもしれません。たまたまなのか、相場にあっているのか、それともどこか真をついた戦略なのかはまだ評価できないし、わかりません。もしかしたらBrexitにとって増加したボラティリティが収束する局面において斜に構えたロング・ショートがうまく働いてるのかもしれません。

 

そういえば、今週は任天堂が暴騰してました。ああいう動きはデイトレーダーにとっては面白いのでしょうが、僕の戦略からすれば恐怖でしかありません。相場全体から離れた個別的で明らかな一方的への動きはロング・ショートの天敵です。この観点から見れば、投資セクターを増やすのは分散によってシステムを強くする一方、ハズレくじを引かされる可能性を高めるデメリットもあります。投資するセクターはイノベーションが比較的起きづらい銘柄にするべきです。ITは避けて食品、小売、交通機関(これは寡占市場か)、金融なんかどうですかね。

 

投資は数字だけでやっていいものではありません。複雑な世界を単純に捉えて儲けるシステムはいずれ崩壊します。今回は対岸の火事(というか祭り)でしたが、このままでいれば僕のシステムも必ず壊滅的な打撃を受けるでしょう。だからこそ色んなことを学び、視界を広げ、それをシステムに導入していかねばなりません。そして壊滅的な打撃を、ギリギリ耐えられる深い傷くらいまでは軽減できれば、それがまた学びになります。

Pythonは面白いです。値動き分析も投資判断もできる無限のパズルです。前回勉強した時は目的なんかなかったので1ヶ月程楽しんだだけですぐ飽きましたが、今回はもうちょっと長く楽しめそうです。

 

ブラックスワン-あるいはロングショートへの罵詈雑言

タレブ氏の書いた「ブラックスワン(リスクと不確実性の本質)」を読んだ。衝撃だ。彼は僕のやろうとしている戦略を全否定している。アンチ・クオンツというか、アンチ・緩いクオンツだ。順を追って要旨をお伝えしたい。

 

ブラックスワンとは?

直訳すれば黒い白鳥。かつて全ての白鳥は白かった。オーストラリアに出向いた学者が黒い白鳥を見つけるまでは。よってタレブ氏はこれを「稀に起こる大惨事(祭)」、「予想できない危険な事象」の隠喩として用いている。

このブラックスワンにはタレブが言うには3つの特徴がある。

1.論理的には予測がつき辛い

2.与える影響が極めて大きい

3.過ぎ去ってしまうと、あたかも予測がつくものであったように見える

 

なるほど。面白い。リーマンショックソ連崩壊、ナチスの台頭、ナポレオンの敗北、ローマの興亡。後から振り返る僕らは全ての出来事に因果があるかの如く説明できる。そして、これらの因果を学ぶ事で将来なにかしらの予測が建てられると考えてる。あわよくばそれを利用して一儲けしようとも。タレブが言うには、これらは全部僕らの脳が効率よく情報を処理するために起きる錯覚らしい。ランダムな情報より意味のある、つながりのある情報の方が覚えやすい。つながりを元にひとまとめに置いておけるからだ。

だから僕らは出来事から無理に因果を作り出す。つながりが感じられる情報だけが強調されて脳に入ってくるのだ。

本当は非常に複雑で入り組んだ世界、システムを頭で無理やり作られた単純な因果で理解しようとする時、ブラックスワンが生まれる。(つながりを組み立てるのに)理想的な世界を作る過程で出来る先入観が目を曇らせて「予想外」を作るのだ。

 

ブラックスワンが生じるのはこの社会が「ベキ乗分布」でできているからだ。これは統計で使われる「正規分布」に比べて広い分布を持つ。このベキ乗分布は「計算しづらく」、「推測もしづらい」。要は複雑で、めんどくさいのだ。本当はめんどくさい世の中を計算しやすく、先も読みやすい正規分布を用いて理解して支配した気になっているから、いざベキ乗分布に見られる大きな動きが起きた時にパニックを起こし、思考が止まって損を出すんだ。

 

そういう訳でタレブは今までのクオンツを否定する。難しい世の中を簡単に解釈しようとすんじゃねーよ。頭の中で世界を勝手に決め付けて、それを前提に考えるから穴ができる。頭の中で出てきたリスクが全部だと思うなよ。正規分布なんざに頼ってちまちま儲けるのは目をつぶって幅のわからない橋を渡るみたいなもんだ。溜め込んだところでそれを突かれて、今までの賭け金が全て吹き飛ぶ。

 

そういう訳で、タレブは「バーベル戦略」を推薦する。賭けを2つに分けるのだ。一方は短期米国債に代表される「スーパー安全資産」、これはブラックスワンが来ようと吹き飛ばない、値上がりも値下がりも見込めない碇の役割を果たし、資産全体の85~90%を占める。もう一つは「スーパーハイリスク資産」、レバレッジかけてオプションでもなんでも利用してブラックスワン時に超巨大な儲けを出す機構を作るのだ。通常時は負けてていいのだ、どうせごく一部分だし。動きの大きさは果てしなく大きい、よって勝つ時の儲けも果てしなく大きくなる、らしい。

 

 正直どうなん?色々無理あると思いますが。まず、ブラックスワンによる影響は予想できないので、短期米国債が安全であるとは言い切れないと思う。絶対に安全な資産なんて一つも存在しないはずだ、ベキ乗分布を考えるなら。第二に、予測できないブラックスワンで如何に儲けるのか?そんな事が出来るなら投資なんていうゲームとうに破綻しているはずだ。まあタレブは金融工学に精通しているのでクオンツの「穴」は見えやすいのかもしれない。第三に、タレブは3回しか儲けていないらしい。本の後書きで書いてる。クオンツショック、リーマンショックを含むいずれも金融市場に危機時だ。無論「大儲け」した回数だろうが、そんな少ない回数しか快感を感じられずに楽しいのだろうか。少なくとも、僕はいろんなタイミングで色んな波に乗って楽しみたいな。

7/8 反省、改良案

出現した問題点、改良案

 

①低い乖離率の銘柄でも投資してしまう。

例えばindexから乖離率0.1 %の銘柄でも既存のシステムだとショートに掛けてしまう。乖離率0.1%というのは非常に中立に近く、推測通り下方に下がるのとほぼ同じ確率で逆方向に進む確率がある。よって、フィルターをかけた。4年分のデータの乖離率を調べたところ標準偏差σは4 %だった。よって、約60 %の確率で乖離率は± 4 %の範囲に収まる。この戦略では± 4 %に収まる乖離は無視をし、それ以上の乖離を持つ場合のみ投資を行うこととする。

 

ただ、既存のシステムでも乖離率が小さければ投資比率は低くなることになっているのでこの改良はただ執行される売買を増やすだけかもしれない。

 

 

②まだまだリスクが大きい。

日々の損益の幅が大きい。日によっては2万ほど利益を上げ、次の日に含み損5万になっていることがある。アービトラージとはそんな損益の動きをする戦略ではないはずだ。

改良案としては、セクターを増やす事を考えている。

食品セクター内部でこれ以上増やすのはあまり良い考えとは言えない。相関係数の非常に高い組み合わせがそんなに大きくあるとは考えられない。

ただし、食品セクター内部だけでも大きな損益変化する戦略ではないため、これは考える前提がどこか間違っている可能性がある。事実、木曜日にはロングしていた銘柄が2つとも下がり、ショートしていた銘柄が上がるという完全にロング・ショートを破壊しに来ている値動きをしていた。全ての銘柄において乖離率が上昇する動きがこれからも起きるようなら戦略、または計算過程を考え直す必要がある。

 

セクターを増やすなら食品と相関の低いところ、半導体とかどうだろう。

 

 

③注文がテキトーすぎる

今、注文は全て成り行きで行っている。しかも午前と午後の間に。

せめて場中に行うべきなんだろうか?これは知識がゼロなのでなんとも言えない。

 

 

損切りが存在しない

乖離率が3σ、12 %を超えたときはポジションを閉じる?これは要検討、なぜならこういう市場の行き過ぎをチャンスとするのがアービトラージだと考えているため。ただ市場の行き過ぎに踏んづけられて木っ端微塵にされてきたのもアービトラージ

 

 

⑤バックテストがしたい

これは問題というより願望だが、過去のデータを使って収益の予想ができればシステムの改良がもっと効率よくなるし、そこからアイディアも生まれる、気がする。

 

 

 

①、④で書いたフィルター、ストップはもうつけたので来週初めまでにセクターを一つ増やし、来週末までにバックテスト手法を学び、導入する。

 

はー研究やめてこれずっといじってたいーー。

7/8 結果、おさらい(反省と改良は次回)

食品銘柄を用いたロング・ショート戦略を始めて一週間が経ったのでざっと反省してみようと思います。

 

トレダビで1000万円から始めたデモ口座の現状を確認します。

総資産額:10,014,205円 (+14,205円)

評価損益:- 3,143円

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実際株で持ってるのは700万円分くらいだったので、収益率は0.2 %、評価損益入れたら0.15 %ですね。単純計算で月0.8 or 0.6 %、年率 9.6 or 6.6 %になります。少し高過ぎる気がします。コンセプトとして稚拙でかつ裁定狙いなのでこれが続くとは思えません。気を引き締めます。

 

現状がわかったところで今までのおさらいを簡単にします。何を持って判断し、どう1週間持分を調整してきたのか。

⓪戦略

興味があったので「ロング・ショート戦略」を用いることにしました。これは「買い(ロング)」と「売り(ショート)」を組み合わせることで相場全体の動きと損益を切り離す戦略です。そしてその上で同じセクターの銘柄がノイズを持ちながらもだいたい同じ動きをする事を利用して儲ける手法です。詳しくは前の記事か後述を参考にしてください。

 

①銘柄の選択

同じセクターの同じ値動きをする銘柄を複数抽出します。私はなんとなく値動きぬるそうだから食品を選び、総資産規模の2~6位を抜き出しました。この時はできるだけ大手を選んだ方がいいと思います。小型は値動きが激しく、かつ流動性リスクが高いため。銘柄数が多くなるとかかる資金も増え、計算の項も縛りも増えるので注意してください。

期間は2年(週次)としました。年をまたいだ動きを見たかったのと、あまり長いと投資対象期間も長くなる気がしたので適当に2年としました。

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上の図が選び出した5銘柄と5銘柄の単純平均の推移です。このindexと題した平均と、それぞれ5銘柄の相関係数をそれぞれ調べます。相関係数とは、どれだけ似た動きをするか調べるための物差しで1~-1の数字で表現されます。1に近いほど同じ動きをすると期待されます。アサヒだけ相関係数が0.6程になり、他は0.8以上だったのでアサヒだけ除外しました。

 

②値動きを合わせる

さて、相関係数の高い4銘柄が出てきました。次にこれら4銘柄の「値動きの激しさ」を合わせます。2年間の値動きの標準偏差をそれぞれ算出しました。これは対象の銘柄がどれだけの値幅を持っているか示す指標です。そして、それぞれの株価(値動き全体)を標準偏差で割ります。これによって、値動きの激しさが等しい銘柄4つが出現します。

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これで値動きの激しい4銘柄が出てきました。これらを使用していきます。

このシステムにおける注文単位は 株価/標準偏差 としています。計算上はこれが基本単位になるので、実際の注文で100株単位にするのに少なからず手間取る事となります。

 

③高さを合わせる

出現した4銘柄の値動きの平均をそれぞれ取り、一致させます。

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これによって先のグラフではバラバラな4個の線がだいたい重なりました。重なるように縦に平行移動させたので当然ですが。このグラフではサントリーの平均を基準にとって例えば明治では全ての値に対して

(新値)=(旧値)- (明治平均値) + (サントリー平均値)

の操作を行い合わせました。

 

この4つの値動きは

「だいたい同じ動きをする」かつ「同じ動きの幅をもつ」かつ「動きの中心点が等しい」ので、これから先も絡まりあいながら同じ動きをしていくと予想されます。

これから先も絡まりあうと考えられるので上の方にある線はこれから下の方に向かい、下の方にある線はこれ以上下がらず上の方に伸びていく可能性が高いと考えられます。見やすくするために入れたのが単純平均(index)です。ざっくり言うと、これら4銘柄はindexに回帰する可能性が高いです。よって、indexより上を売って、下にあるのを買えば儲かる、ということです。

 

大事なのはそれぞれの銘柄がindexに対してどれだけ高いのか、安いのかです。高ければ高いほど戻ってくる確率が高い(と私は考えている)。それを表すのが乖離率です。計算式は、

(乖離率) = { (対象銘柄の値) - index} / index

となります。値とindexはきちんと標準偏差で割り、高さを合わせたものを使用しましょう。

 

 

④投資比率決定

 最後に投資比率を考えましょう。条件は2つです。

①ロング銘柄とショート銘柄の総投資比率は(標準化された単位において)等しい

②乖離率が大きい銘柄ほど大きい利益が見込まれるので、投資比率を大きくする。

ロング銘柄を例にとると(サントリーと味の素がロング銘柄とします。)

(サントリー投資比率) = (サントリー乖離率) / (サントリー乖離率 + 味の素乖離率)

を計算すれば、全ロング銘柄のうちどれだけサントリーに投資すれば良いのかわかるはずです。

 

⑤持ち分調整

さて、ここまで分析頑張ればあとはシステムに従って売買するだけです。

きちんとエクセルに式を入れられれば、現在の値段を入力すれば、標準偏差による割り算、平均合わせ、乖離率計算、投資比率決定まで自動でやってくれるようできるはずです。あとはだいたい100株単位で売買が入れられるように売買高を調整するだけです。

私は毎日昼休み(12:00ちょうど頃)の間に弁当食べながら株価をエクセルに入れて、最適な投資配分となるように持ち分を調整する売買を成行で出していました。調整だけなら5分ほどで終了します。昼にするのは朝と夜は引けと寄り付きの間が大きいと感じたためです。研究室の都合上板には貼り付けないし、設定した値段と売買値があまり違うとシステムが意味を持たないので。

 

なんか思ったより長くなったので反省と改良の話は次回行います。

行動をまとめて一つに記録したいと思ったので今回は今までと被った話が多かったかもしれません。すいません。

 

食品銘柄ロングショート(4銘柄)

前回作った2年分の週次データを用いたシステム通りに発注してみました。(忙しめだったので午後6時くらいになてしまいましたが、、、)

 

250日分の日次データで分析もしてみたんですが、相関係数が大きく落ちてと2銘柄ほどまた除外しなければいけなくなったので、週次データ2年分で行います。

(短期になると個別のノイズが強くなるのかもしれません。)

 

最新の終値(7/4日分)をエクセルに入れて、標準化、y軸平均値合わせ、乖離率の計算をさせて、最終的に投資比率を求めさせます。ただし、標準偏差で標準化してるので、株数比率まで戻すのに手間取りました。

ちょちょっといじって株価さえ入れれば何株ロングするのかショートするのか求めてくれるよう計算式を入れました。エクセル面白すごい。

 

一つ危ぶまれるのが、100株単位でしか売買が行えない点。

ロング・ショートは細かく稼ぐ戦略ですので、細かく持ち分を調整し、正しい投資比率を守る事が非常に重要です。これによって相場の動きから解放され、回帰によって利益が生じます。しかし、現実では100株単位でしか売買ができないため、投資比率を細かく守るためには膨大な量の株を買わねばならなくなります。(例えばキリン4万株ロング、明治7300株ショートなど)

 

デモから抜け出すには大量の資金を用意するか、銘柄数を少なく抑え、かつ株価の低い銘柄を用いて行うべきでしょう。しかし、株価の低い小型株などは個別性が強くなる気がするので、ジレンマですね。

 

理想的な注文は

ショート:明治 100株、キリン 1686株

ロング:サントリー  534株、味の素 446株

 

現実では

ショート:明治 100株、キリン 1700株

ロング:サントリー  500株、味の素 500株

 

来週、再来週あたり月曜あたり反省してみましょうかね。

それまではポートフォリオいじらずに勉強してみようかなと思います。

のつもりだったんですが、この乖離率の動きが結構早いみたいなので、毎日昼に少しづつシステムに従って調整していこうと思います。(昼に成り行き出すだけなら10分ぐらいで終わるので結構楽)

 

 

 

改良①続き

今回は2銘柄ではなく倍の4銘柄を用いたロング・ショート戦略について書こうと思います。労力をかければ任意の銘柄数を用いた方法に拡張できます。

 

使用するのは前回食品銘柄を考察するにあたって出てきた5銘柄から相関係数の低かったアサヒを除いた4銘柄を用います。データは2年分の週次データの調整後終値を用いています。

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この4銘柄に2つの操作を行います。まず、それぞれの標準偏差で割ることにより標準化(今の所これを標準化と呼んでいます)します。この操作によりロング銘柄数とショート銘柄数を合わせさえすれば相場の動きと損益を切り離すことができます(戦略の想定上)。次にできた4本の値動きの平均をそれぞれ取り、それらを一致させるように4本の値動きに加減算を行います。これによって過去の流れに対して現状はどの銘柄が割高なのか一目瞭然になります。

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ちょっと混み合ってしまいました。indexと書かれているのは4社の単純平均の推移です。加減算でy軸の平均値を一致させているので戦略では全ての銘柄はindexに回帰する事になっています。それぞれindexとの乖離率(正ならばindexより高い、負ならば低い事を表す)を調べます。

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上述の通り、全ての値動きはindex(乖離率グラフでは0値)に就職する事になっているので、最新のデータでindexより上にある物をショート、下にあるのをロングすれば少しづつ儲かるはずです。

これを元に考えると直近ではサントリーと味の素をロング、キリンと明治をショートすれば良い事になります。

2~3週間に一度配分を調整していけば良さそうですね、見た感じ。

 

最後に投資比率を考えましょう。条件は2つ。

①ロング銘柄とショート銘柄の総投資比率は等しい

②乖離率が大きい銘柄ほど大きい利益が見込まれるので、投資比率を大きくする。

ロング銘柄を例にとると

サントリー投資比率 = サントリー乖離率 / (サントリー乖離率 + 味の素乖離率)

を計算すれば、全ロング銘柄のうちどれだけサントリーに投資すれば良いのかわかるはずです。

 

週明けはこれを元に(日次データも考えてみて)持ち分を調整します。この戦略をもとに細かく稼いでいくには投資比率を正しく調整するのが非常に重要なので大きな資金が必要になりそうです。